アメリカの保険制度:PPOとHDHPとは?

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アメリカの保険には、大きく分けて、PPOとHDHPがあります。

簡単に言うと、PPOは、保険料は高いが、病院への支払いが安いプラン。一方、HDHPは保険料は安いが、病院への支払いが高いプラン。一般的に病院へ頻繁に行く方はPPOの方がお得ですが、病院へあまり行かない方はHDHPの方がお得です。しかし、実際は少し複雑になっています。

PPO(Preferred Provider Organization)

  • 月々の保険料は高い
  • 1回毎に払う料金は安い
  • 頻繁に病院に行く人はお得?

HDHP(High Deductible Health Plan)

  • 月々の保険料は安い
  • 1回毎に払う保険料は高い
  • 頻繁に病院に行かない人はお得?

実際は?

実際はよくわかりません。というのも、ちょっと複雑になるので。

ユッキーの会社はAnthemという保険会社ですが、2020年の個人負担の医療保険料は以下のようになっています。ちなみにこれは家族(本人+配偶者+子供)の医療保険のみで、目と歯は61ドルと5ドルを別に払いますが、ここでは考えていません。

  • PPO:月額560.48ドル=年間6725.56ドル
  • HDHP:月額337.59ドル=年間3051.08ドル(年間1000ドルは会社がHSAに入れて補助してくれ分を含む)

値段を見ると、倍くらい異なります。なお、HDHPは保険料が安いため、PPOの方と不平等にならないように、会社が医療費の負担を補助してくれます。私の会社の場合は家族の場合は1000ドルです。それは HSA(年間ある決まった額まで税金を控除できる医療費の支払いのためだけの貯蓄口座) にお金を毎月、振り込んでくれます。

本人負担は実際の保険料の20~30%なので、会社は上記の額の倍くらいを負担してくことになります。それにしても、保険料もかなり高額です。

違いをシミュレーション

簡単なシミュレーションをしてみたいと思います。以下が前提条件です。

  • PPOは1回の受診に付き35ドルの自己負担
  • HDHPは1回の受診に付き85ドルの自己負担
  • HDHPは4000ドルまで保険が下りない。
  • HDHPは4000ドルを超えると80%カバーされる。すなわち、1回の受診に付き17ドルの自己負担
  • 最大の医療費負担額10,000ドル

一番気になるのは、どっちがお得かということかと思います。PPOの方が年間で3674.68ドルも多く払います。そのため、どれくらい頻繁に病院に行く人がお得なのでしょうか?

この簡単なシミュレーションをしてみたところ、実は最大の差が出るのが47回目に病院に行ったときの2350ドルでその後は差が縮まっていきます。105回目で逆転して、HDHPの方が保険料を除く自己負担額はPPOよりも安くなります。

ちなみに、PPOの場合は146回目でMaxに到達するので、それ以降は自己負担額はありません。HDHPの場合は221回目で到達します。

実際は、受診料+検査代などがかかる場合もあります。ただ、PPOの場合もその検査代なども別に払わないといけません。例えば、採血したら100ドル、インフルエンザの検査で50ドルなどなど。ですので、どちらも大して変わらないのではと思っています。

結局、どっちがいい?

そういうのも加味して、PPOに入る意味って何なんだろうと思っています。

あと、PPOの場合は、薬代も定額8~10ドル取られます。HDHPの場合は、実際の値段を払います。最もよく処方される抗生物質だと、1~2ドルなので、PPOだと8~10ドルを払います。ただ、高額な薬(タミフルはクーポンなしだと100ドルを超えます)などはその額を負担しますが、それは自己負担額にカウントされるので、4000ドルを超えると、80パーセントがカバーされます。抗生物質については、また別の記事にしたいですが、ユッキーの近くのチェーン店のスーパーだと無料です。

また、PPOでも保険でカバーされない薬を処方されたときは、自己負担です。子供の塗り薬が70ドル、目薬が40ドルしたこともあります。

再度ですが、PPOに入る意味ってあるんでしょうか?私の理解では、みんなHDHPに入るのがいいと思います。HSA(年間ある決まった額まで税金を控除できる医療費の支払いのためだけの貯蓄口座)も持てるし。

もし、ユッキーが知らないお得なPPOの使い方がありましたら、コメントいただけたら嬉しいです。

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